若者は2時間の映画に耐えられない?いや、1秒も耐えられません




パフォーマーの謳歌 Ouka(@performerouka)です。

ちょっと前になった記事で、
「若者は2時間の映画に耐えられない」
「上映中にスマホを開いたりLINEしたりする」
というものがありました。

2時間観てらないならそもそも映画館に来るな!
という意見がたくさん上がっていましたね。

それはその通りなんですけど、
ぶっちゃけ若い世代ほど短い時間の間に耐えらえれないのは間違いないし、
それは不可逆的な流れでもうどうしようもないのだなと思います。

今の若者は自分で時を操作できる

現代のキーワードのひとつに、時間当たり情報量(information per time)というものがあります。
僕が最も革命的な概念だなあと思っているキーワードです。
詳しくは動画2.0という書籍に解説されています。最近の私のバイブルです。

さて現実世界は時間当たり情報量が1/1ですが、
動画になるとわずかな間、例えばしゃべってる最中のブレス(呼吸)ですらカットされてその間は消滅しています。
時間当たり情報量が現実を超えちゃっているわけです。
さらにそれを視聴者側が倍速で再生したり、あるいはそのシーンは飛ばそうと思ったらダブルタップしたり、またはそもそも動画を飛ばして他の動画に行ってしまいます。

今の若者は、視聴者側が自分で時間当たり情報量を操作できる感覚が染みついているのです。

えっなんでこれ早送りできないの

僕は子供のころ、親の仕事の関係でスペインで過ごしていました。
そのころのメディアといえばビデオテープだったわけですが、
おじいちゃんおばあちゃんが日本の番組をビデオに録画して、
それを物理的に国際郵便で送ってくれたりしてたんですよね。
戦隊モノとか、アニメとか。

5才6才の自分にとっては、日本の映像といえばビデオで見るもの。
ビデオといえば、早送りや巻き戻しができる。
そう、日本語の映像は自由に時をコントロールできるものだと、感覚レベルで感じ取ってていたんです。

で、帰国したあと、日本のテレビを見てこう思いました。

帰国した謳歌
え?なにこれ、早送りも巻き戻しも一時停止もできないんですけど???

もちろん、テレビはライブ放送だから、というのは当たり前なんですけど、
自分の感覚としては「日本語圏の映像はこっちが主導権を握れるもの」だったんです。
ビデオテープで見る方が標準になっちゃってるから、早送りなどができないのに強烈な違和感を覚えたことを覚えています。

オンタイムテレビや映画はもはや標準的な視聴ではない。

さて話を今の若い世代に戻しましょう。
その世代にとっての中心的な視聴はもはやオンタイムのテレビ放送ではありません。

視聴者側が時(主導権)をコントロールできるのか、という観点でいうとコントロールできる方が主流であり標準になっているといえるでしょう。
YouTube、インスタ、TikTok、Hulu、Netflix、Amazon Prime Video・・・・・
もう上げたらキリがないですね。
厳密には実はTikTokはひとつの動画中の早送りはできず、さっと次の動画に瞬時に飛べるのですが、そもそも尺が15秒程度だし、「次の動画に行く=15秒飛ばす」と考えたらそれに近いです。

テレビをよく見る若い世代もたくさんいるとは思いますが、
それでも録画で見る場合は視聴者側が早送りなど操作できちゃいますしね。
割合としては、間違いなくコントールできる方が多いでしょう。

そんな中、映画で2時間耐えられないというのは仕方ないとは言いませんが、
そうなってもおかしくない土壌があるのです。

耐えれれない時間は2時間ではない、1秒である

もうひとつ、視聴者が「この映像を見続ける価値があるかどうか」を判断する時間について触れておきます。。

洪水のようにオススメ動画が流れてくるTikTokでは、なんと1秒未満で視聴者が
「見る」「見ないで飛ばす」
かを判断しているというデータがあります。

ちょっとすさまじいデータじゃないですか?
見る見ない、面白い面白くないの判断にかける時間が1秒未満って。

YouTubeではそもそもその操作自体がやや手間だったり、手間取るのですすが1秒未満ではないですが、
昔のYouTubeで判断にかかる時間は開始から15秒程度だったんですが、それよりもどんどんが短くなっているそうです。

映像の作り手からすると、そんな時間で価値のあるなしを判断されたらたまったものじゃないですが、
こういう時代なのでそれを受け入れるほかないでしょう。
もう元に戻すことはできないでしょう。

それでは最後に
映画館で2時間耐えられないからスマホ見ちゃうって方がなぜ、40分なら耐えられるのか?
それは単にスマホをポケットから取り出して機内モードを解除する手間と、他の人に見られるという心理的障壁があるから、それだけです。
仮に、スマホがオンラインでロック解けてて手に持ってる状態で、映画館でたったひとりで映画を見たら・・・
40分どころかじゃないでしょう。瞬殺かもしれません。いやそもそも耐えるという選択肢すらないかもしれません(最初からながら見とかね)

もちろん、映画館・・そして劇場でも、2時間スマホをオフにするべきです。
が、それができない方が増えた原因を考えると、対策の使用もあるかと思います。

次回記事はその対策でも考えてみようかな。

それではまた明日、次の記事にてお会いしましょう!

プロフィール

パフォーマー 謳歌/Ouka

動くだまし絵”と評されたパフォーマー。
最近は「スッキリ」に出演。
YouTube500万、ブログ記事1200RT、出演22ヶ国。
クラウドファンディングで国際エンタメ公演TrueActを主催。

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