こんにちは!
謳歌 Oukaです。
【ゲーマーだけが知る理論をパフォーマーの世界に応用したら、いきなり日本2位になった話】
ついにこの話をする時が来ましたね〜。
有料にした方がいいんじゃって話も頂きましたが、
ゲーマーの方にちょいちょいフォローして頂いているこのタイミングでぶっぱなします!
注 一般のファンの方にとってはびっくりするくらい興味がない話になるかと思います。
前提の考え方からお話するのでやや長めですが(4000字になってしまった・・)、
ゲーマーというサブカルチャーの世界の理論を使って
人前で見せるパフォーマンスの世界で評価して頂いたこと、なかなか前例のない話だとは思うので、
ご興味あればお付き合いください。
ゲーマー時代のお話
元々、ぷよぷよというゲームをやってました。
生まれて初めて自分が
「ひとつのことに猛烈ハマる」
という経験をしたんです。
この感覚は僕の原点となりました。
階段積みができるようになった時の成功体験はハンパなかったです。
全国大会にも出場しましたねー予選落ちでしたけど。笑
さて次に僕がハマる感覚に陥ったのは、Magic the Gatheringというアメリカの統計学者が作った競技カードゲームでした。
これも日本大会出ました。これも予選落ちしました。
その時の優勝者が今の超有名プレイヤーのサイトウトモハル選手なんですよね
出典 http://mtg-jp.com/
やらない人にとっては
10000種類以上あるカード(ほぼ全部、役割や効果が独自のもの)から自分の戦術やコンセプトに合致する60枚を選んで、
作った60枚vs相手の60枚で対戦します。
発売されてるうちから強いやつを上から順に60枚入れたらいいんじゃん。と思うかもしれませんが、
10000種類のカードが全部
「大きな効果のカードは使えるまでに時間がかかる」
「小さい効果のカードは最初の方から使える」
と効果と時間のバランスが設定されてるので、単純比較で強いとか弱いとか言えないんです。
小さい効果のばかり60枚集めて、最初のターンから使いまくるのが意外にいい戦術だったりね。
正確に内容を伝えるといくらあっても本題にいけないから細かいルールは省略します
じゃあ一体何で勝敗が決まるのか?
駆け引き、心理戦、相手の手札の推察・・・
色々ありますが、今挙げたのって全部試合が始まってからの話ですよね。
実は試合が始まる前段階がめちゃくちゃ重要なんです。
これが【メタゲーム理論】です。
メタゲームとは
メタ・・・高次の、超越した、みたいな意味です。
メタゲームをわかりやすく言ってしまうと、
試合が始まる前の戦い。
まずMagic the Gatheringの大会はトーナメント戦ではなくリーグ戦のように何度も戦って最終的な勝率などで競います。
(正確さよりわかりやすさで表現するよ)
で、大会の最初に持ち込んだ60枚の束を登録するので、大会途中にその60枚の束を変えることはできません。
ということは。
極端な例ですけど、
参加者100人中90人が「あの戦術あのカード使う」って予測できれば。
その戦術に対しては強い60枚構成にするだけで圧倒的に勝率が上がります。
強いというのは絶対評価じゃない。
強いというのは相対評価。
多くの参加者、に対しては有利な60枚構成をあらかじめ作っておくのです。
なのでプロ(・・・いやプロがいるんですよ)は
「多くの参加者はどういう60枚構成を作りたがるだろうか?」
を大会前に予測して、それに対して強い構成を作ります。
特定の構成にしか全く効果がない(でも特定の構成にはかなり強力)、みたいなカードをガンガン取り入れたり。
誰と対戦になるかわからないけど、その「特定の構成」をみーんな同じように持ち込んでると予測できたら最強です。
参加者の戦術や構成の分布を読み切るという、試合の前段階の試合があって、
それを制する者が国際大会で優勝したりプロとして暮らせたりするのです。
じつわ。
強力だと思われる構成Aが開発されてそれが流行り、
Aに有利な構成Bが開発されてそれが流行り、
Bに有利な構成Cが開発されてそれが流行り、
よく考えたらCには最初のAが有利じゃんこれどうすんの・・・どの戦術選んだらええんや・・・
ってなった頃にちょうど世界大会の時期とか実際ありました。
ちなみに結果は、いずれにも有利の新規タイプのDが開発されDが勝ちました。
おそろしいせかいや・・
Magic:The Gathering以外の多くのカードゲーム(60枚構成を自分で選んで対戦する競技)だったら
このメタゲームっていう考え方はあると思います。
野球とかサッカーでいうと、
単純に選手の強さじゃなくて相手の戦術を予想してスタメン決める監督みたいな感じかな?
メタゲームを、全然関係ない分野で使ってみた
さて、Magic:The Gatheringの次に僕はジャグリングにハマってました。
わけがわからないですね。
でもいきなりエンターテイナーに!とかじゃなくて、当時はただ部屋のすみっこでもぞもぞ練習してただけです。
でもやっぱり大会出たいなーと思ってノリと気分で日本大会にエントリーしました。
なんかやるからには出たいなーって思ってしまって。
ただ正直自分は「技術力」でいうと全く話にならない状態でした。
かといって構成力とか演技力とかも全然なく、どう考えても入賞とかムリという状況。
よく考えたらなんで当時の自分はエントリーしたんだろう、謎です。
ともかくエントリーしてしまい、埼玉県入間市のおばあちゃんちで練習している時にふと、ホントにふと思ったのです。
カードゲーマーの中ではメタゲームを考えるのは常識でした。
でもジャグリングとかパフォーマンスの世界ではメタゲームを考えるどころか、その存在を知っている人はいなかった。
少なくとも、僕の知る範囲では。
僕の扱う演目で出場する人が誰か、その噂は勝手に耳に入ってきます。
そしてそのメンバーが、どういう構成で演技を組むのか、これまでの演技から想像はかなりつきます。
衝撃を感じました。
あれ?
これ、全て噛み合ってない?
もしかして、もしかして。
メタゲームをこっちの世界で使ったら最強なんじゃないの。
胸が高鳴りました。
僕は、他の出場者が比較的軽視するんじゃないかなって思うパートを重点的に攻める構成にしました。
もう、このパートでは、技とか開拓されきってるしやることあんまないでしょ。
そういう風潮があるパートのみで構成し、
オリジナルの技をたくさん作りました。
他の出場者が攻めるであろうパートは一切捨てました。
自分の演技が、相対して魅力的に感じて頂けるように構成しました。
難易度は上げない。
みんな難易度で勝負するだろうから。
代わりに、ミスを減らして完成度を上げる。
オリジナリティを上げる。
それも、みんな「まあいいでしょ」って思うパートで。
そして当日。
僕は、はじめてわずか2年半ほどで、初出場ながら銀メダルを獲得することができました。
(その際天狗になった言動があったりご迷惑をおかけしました)
正確な実力じゃないじゃんと批判されたら、それはそうかもしれません。
ちなみにその後、主催大会は別ですが、日本大会に再チャレンジして優勝できました。
その時はメタゲームではなく別の考えが勝因でした、気になる方はコチラ
僕が本当に伝えたいこと
俺SUGEEEEEみたいな話じゃないんです。
今日たまたま目に止まった、ネット上の書き込み。
うん・・・フツー、そうだよね。
ゲームなんかやってても特に意味はないと思うよね。
でも違うんだ。
少なくとも僕はゲームから得たもので、成功できたんだ。
ゲームだろうが、旅行だろうが、スポーツだろうが、なんだってそうじゃない?
インドにひとり旅して、何も得ず何も変わらずって場合もある。
インドにひとり旅して、何か得てきっかけにして人生変わる場合もある。
ゲームだってなんだってそう。
でも僕たちは、あえて僕たちという言い方をするけれど、ゲームやサブカルチャーやってるとバカにされてきたでしょ?
「まだやってんの?」
「何の得があるの?」
「時間の無駄じゃん」
「辞めろよ。今すぐ」
サブカルチャーをたしなむひとはそういう経験あると思う。
いやもしかしたらスポーツとかでもそういう人がいるかもだけど。
とにかくやってるとバカにされて続けてきた。
でもそれによって自分に何があるかだと思う。
単に楽しいでも、仲間ができるでも。
そして他の何かに転化したりでも、新しく価値を作ったりでも。
最近、ぷよぷよのプロライセンス保持者の方とお話する機会がありました。
(だからいるんですよ、プロが)
発信力のある、女性初プロパズルゲーマーtemaさん。
覇王の異名を持ちゲーム論をブログで展開するlive(りべ)さん。
おふたりとも、僕が見る限り、
ゲームやってた場合の人生と何もやってなかった場合の人生だと、
ゲームやってた方のtemaさんliveさんの方が輝いてるように感じました。
勝手な想像ですけどね。笑
僕は、ゲームから得たもので成功しました。
ぷよぷよをしてなかったら、
「何かにそんなハマるなんてダサい」「大会とかwwwwwww」
って考えてたかもしれない。
Magic:The Gatheringをしていなかったら、
別の分野でも成果を出すなんでムリだったかもしれない。
何かに転化して成功させるべきだなんて言わないけど。
こんなひともいるということを知って頂けたら幸いです。
そしてそれによって、これを読んでいる方が少しでも何か気づきを得たりプラスになれば。
とっても嬉しいです。
twitterやっています。色々発信してます。
もしよかったらフォローしてください。
https://twitter.com/performerouka
ゲーム業界関係者の方。
もし僕が何かお伝えできることがあればお話しますので、よかったらご連絡ください。
e-sportをイベントとしてエンタメとして盛り上げるにはどうしたらいいか?
なんてことに興味があります。
長文読んでくださって、ありがとうございました。
最後に
こういうパフォーマンスをイベントやら舞台やらテレビやらで演じております。
この映像は日テレ「スッキリ」出演時の演技。
見てください、最初の図形はぷよぷよです。
これでソフトの売り上げにばちこり貢献するんや・・・
14000PVの反響を受け追記
色んなご意見や感想を頂戴しました。
それを受け、別途記事に書きました。
よかったらそちらもどうぞ !