伝え方が10割。




パフォーマーの謳歌 Ouka(@performerouka)です。

みなさんコンテンツ作ってますか?

後輩
いや別にパフォーマーとかじゃないし

って方もなんだかんだ広い意味ではコンテンツ作っていると思うのですよね。
企画書とかデートプランとか料理とか。

で、ひとのために苦心して頑張って作った内容であっても、まず見て(使って)もらえなかったら悲しいですよね。

そういう意味では、まず見てもらうための伝え方・・表現パッケージと言い換えてもよいのですが、これが10割だなあと実感しています。
内容を見て吟味して、いい悪いを判断してもらいたい、その前段階で見てももらえなかったら本当につらい。つらいけど往々にしてよくある。
仮に内容が満点でも見てもらえなかったら評価が無ですからね・・

というわけでまずはそのステップをクリアするためには

伝え方/表現/パッケージが10割というお話です。

初日3億円を飛ばしたアプリの伝え方

ちょっと前に
「このアプリはヤバ過ぎる」
と話題になったcash。

今あるカバンやスマホなどのアイテムを写真に撮ると即それが現金に変わるというアプリです。
普通の買取と違うのは、アイテムをオンラインで査定してその時点で先に現金を振り込んでしまい、後からユーザーにそのアイテムを送ってもらうということ。
これはヤバいと話題になり、初日に3億円くらいユーザーが利用したそうです。怖い。

さてその仕掛け人である、光本勇介さんがこんなことを語っていました

「cashは言ってしまえば送金のタイミングがズレている買取アプリだけど、買取という単語は使っていない。これがとても大事で、代わりに目の前のアイテムが瞬間的にキャッシュに変わるアプリだと表現した。買取サービスのひとつ、ではなく写真を撮った瞬間に現金に変わるという魔法感を伝えたかった。
実は、買取に必要な情報はそのアイテムの名目(iPhone8 256Gとかね)だけでそのアイテムの写真を撮る必要はない。だけれど、写真を撮って金額が出る魔法のような快感を作りたかった」

買取という単語を排して、新しいものとして認知させることに成功したというお話。

毎回満席になる大人気クルーズコンサート

彼とは国際クルーズでのステージで出逢いました。
クルーズでは毎朝、今日のイベント情報がレター形式で届きます。
それを見て乗客のみなさんが

お客さん
今日は夜7からコメディショーか
笑ってスッキリしたいから見にいこう
のように判断します。

公演を毎回満席にしていたヴァイオリニストの彼は、
コンサートの名目には「ヴァイオリン」「コンサート」のような文言は一切使っていませんでした。
これは衝撃的。

内容はヴァイオリンなのに、ヴァイオリンとは謳っていなかったのです。
(実際、一般に想像するヴァイオリンとは全然違う内容でした)

「一般の人が、ヴァイオリンコンサートに45分もいたいと思うかい?
クラシック音楽を45分聞きたいと思うかい?
クラシックやヴァイオリンに興味のない多く人は来ないだろう。
実際、私のコンサートの内容は全然クラシック音楽ではないけれど・・・
ヴァイオリンって時点でそうイメージされてしまう。
だから、ヴァイオリンという単語は使わずに告知しているんだ」

ちなみに実際乗客向けレターで載っていたタイトルは
4本の糸からなる芸術
という名前で告知が打たれていました。
恐ろしいセンス。
ヴァイオリニストが自分が愛するヴァイオリンを、多くのひとに伝えるがために、レターに書かない。
賛否両論ありそうですが、私は素晴らしいと思います。

内容以前に終了した自分の過去

プロ1年目の謳歌
それでは次の演目は、
3つのボールを使ったジャグリングです!

野外でお客さんが足を止めて見る中、そう言って道具箱からボールを取り出していたのは過去の私です。
昔は3ボールジャグリングで色々やる演目とかやってましたね・・

で、そのタイミングでひとりのお客さんが立ち上がってこう言ったのです。

女性
あー。そういうやつね。
その方はそのまま立ち去って行きました。
プロ1年目の謳歌
え・・演目まだ見せてないよ?
演目紹介の時点つまらないって思われちゃった・・?
これは自分にとって、とてもショッキングで考えさせれれる出来事でした。

ジャグリングをやる人がとらえる以上に世間はジャグリングを面白いものだと思っていないようです。
そんなわけではそもそもその演目はやらないか、

謳歌
ジャグリングに錯覚を加えるとどうなるでしょうか?

という紹介でやっています。

少なくとも、次の演目は3つのボールのジャグリングです、よりは圧倒的に良くなりました。
そもそも見て頂けないと意味がないですからね。
精神的にもよくないですし。

あの時立ち上がって去っていた女性、その時の自分はどうして・・・と思ったけれど、大切なことを教えてくれました。

買取アプリより、
45分のヴァイオリンコンサートより、
次の演目は3つのボールのジャグリングより、

ひとの心を動かせる伝え方があり、表現があり、パッケージがある。

もちろん内容の洗練も怠らないように。自戒を込めて。

では次の記事で!

プロフィール

パフォーマー 謳歌/Ouka

動くだまし絵”と評されたパフォーマー。
最近は「スッキリ」に出演。
YouTube500万、ブログ記事1200RT、出演22ヶ国。
クラウドファンディングで国際エンタメ公演TrueActを主催。

↓twitter
https://twitter.com/performerouka